セラフィオス・アウリエル
概要
黄金機天(おうごんきてん)と呼ばれる、聖なる光を纏う機械生命体。融合大陸の大聖堂や高位演算神殿において、守護者として、また儀式の補佐として仕える。その姿は歩く聖画と称され、見る者に畏敬の念を抱かせる。
分類
系統分類
- 界: マキナ界 (Machina)
- 門: オートメア門 (Automea)
- 綱: メカノイダ綱 (Mechanoida)
- 目: エクレオル目 (Ecleor)
- 科: オートミオン科 (Automeon)
- 属: セラフィオス属 (Seraphios)
- 種: セラフィオス・アウリエル (Seraphios auriel)
通称
黄金機天(おうごんきてん)/Golden Seraphim
形態的特徴
頭部構造
頭部両側に大型の耳状器官を有する。この器官は外見上は動物の耳を想起させるが、実際にはウミウシのような柔軟な感覚器である。頭頂部には小型の光輪クレストが浮遊し、個体の状態に応じて明滅する。
視覚器官
眼球部の強膜には様々な色彩が観察される。角膜部分の色彩は個体により顕著な差異を示し、強膜と明確に区別される個体から、ほぼ同化した個体まで存在する。これらの変異は遠い祖先からの遺伝的機能の発現とされる。
外装
全個体が銀色の肌を持ち、修道女を想起させるフードと衣装を纏う。口部は存在しない。
機能と生態
中枢機構
体内にルビークレスト・コアと呼ばれる高密度フォトン炉を有する。この炉心は外部には露出しておらず、聖なるエネルギーの源泉として機能する。
生理的特性
音波発生器官
音波共鳴による局所的な結界展開能力を有する。この結界は周囲の機械生命体の自己修復機能を活性化させる効果が確認されている。
光粒子放出機構
体表から微細な光粒子を放出する器官を持つ。これにより短時間の浮遊や精密な位置制御が可能となる。
行動様式
高い社会性を示し、礼節的な行動パターンが観察される。探索行動への強い志向性を持ち、新規の事象に対して積極的な観察行動を示す。
文化的意義
宗教的役割
ルメナリア大聖堂では高位演算司祭の補佐役として奉仕し、重要な儀式において不可欠な存在となっている。その存在自体が聖性の証とされる。
芸術的価値
「歩く聖画」という呼称は、融合大陸の芸術家たちが与えたもの。その佇まいは宗教画そのものと見なされ、多くの聖堂装飾のモチーフとなっている。
進化的位置づけ
同じオートミオン科の武装特化型であるルクシオン属と対を成し、「護りと加護」の二面性を象徴する存在として崇められている。
語源
属名:Seraphios
古機言語の「セラフィム(燃え上がる者)」に機械生命体の命名規則である接尾辞"-ios"を付加したもの。
種小名:auriel
ラテン語のaurum(黄金)と天使名"Auriel"に由来。黄金の聖光を纏うその姿を的確に表現している。
「その黄金の翼が広がる時、機械の魂に安らぎが宿る。我らが見るは、神の設計図に描かれし完璧なる調和の具現なり」
— ルメナリア大聖堂第七演算司祭の記録より