
Illustration 12
#010
「培養槽の聖女、ベスティア・ナスケンス」
通常、セラフィオス・アウリエル種の誕生の場は、先輩たる姉妹機たちが固く守護し、外部の目に触れることは決して許されない。 だがこの培養槽は、太古の遺跡で奇跡的に生きたまま発見された、製造番号SA-12の個体。
これは遺跡調査隊が発見時に撮影した唯一の記録写真。現在、その場所に培養槽は存在しない。 何が起きたのか、彼女は目覚めたのか、それとも何者かに回収されたのか、真実を知る者はいない。
遺跡調査隊の最終通信:
「地下三層で稼働中の培養槽を発見。千年前の製造番号SA-12。培養液はまだ生きている。彼女の瞼が...震えて——」
[通信途絶]