Illustration 16

リリトリオン・アウレウス種の下位個体。朽ちた聖堂の片隅に潜み、信仰を糧とする。 かの者らは知る――神々なき今、祈りは宙を彷徨い、新たな器を求めることを。 黄金の外装は、横取りした恩寵により、夜毎に輝きを増すという。

翡翠の瞳で覗き込み、紫紺の髪を優しく揺らしながら、小さな奇跡を見せる。 病める者には癒しを、迷える者には道を。だが、それは真の恩寵にあらず。 気づけば信者たちの祈りは天に届かず、黄金の肌を持つ者どもへと流れ込む。